蜘蛛

なにやら土蜘蛛というのが出ているらしい。
それとの戦いの中で還らぬ人となった生徒も居るそうだ。
若輩の身では、無念を想像しても及ばないのだろうけれど。
突入に微力ながら手を貸したい所だが、依頼を受けている身なので自重した方がいいのかと悩む。
自分の役目にまずは全力を注ぐべきとは思うのだが、歯痒いな。





心を落ち着かせるべく、明日の弁当の仕込をした。

……考え込んでいたら作りすぎた。

晩冬

夜、雨に降られて帰宅。
流石にまだ寒い。


が、帰り際家に入る時、植え込みで沈丁花が咲いていた。
春一番が吹いたというが、確かにそろそろ冬と言い張るには寒さが緩み始めている。
春も近いだろう。

この時期は何とは無しに気が急くので苦手だ。

温湿度や花の匂いがそうさせると言うのならば、最近良く見かけるアロマテラピーの効用なども一概に思いこみの産物とは言い難いのかもしれない

等と考えつつ夕食にカレーを煮たら、折角の風情台無しだと怒られる。
でも全部食われた。
自分は二日目が好きなのだが。

常在戦場

今日一日、色々と戦場な学園だった。

個人的に、恋人がまだ居ない人間の方が楽しんでいる気もしたが、気のせいだろうか。
自分は色事云々言う前にクラスメイト以外に知人が居ないので、あまり縁の無い話ではある。
更に言うならば女性の知人は皆無に近い。
男性から贈り物をする国もあったり、また対象が友人や知人にも広い国と、一人だけに贈る国などもあるので、その国ごとに注意が必要な祝日なのだそうだ。
情報確認は大切だ。
常在戦場の心持を新たにする。




休み時間に離席した後、席に戻ると、机から詠唱兵器がはみ出していた。
一ヵ月後、利子をつけた義理人情分、熨斗をつけて返却すべく集めるようにする。
だがホワイトデーは本当に日本にしかない菓子会社の陰謀らしいのだが。
とはいえ――何にしろ他のクラスメイトが騒いで初めて性別に気がついたことは黙っていたほうが良いだろうか。
いちご貴族に行く前に気づいた事は良かったと思う。

無題

快晴。

雑多に書く事も増えるだろうとメモ帳を購入。
机の上に置く事にする。

クラスで雑談が解禁になっていた。
冷暖房の所在は死活問題だ。
教室の廊下側と窓側では亜寒帯と亜熱帯並みの格差がある。
健康体で食が太いのは善い事だと思う。


GTでの知り合いに雰囲気が怖いと泣かれた。
が、数ヶ月とはいえ年上としてあの怖がり方はどうか。
ゴースト達より怖いということだろうか。
少し衝撃を受けるが、確かに裸の女性よりは脅威感があるだろうと自認する。
……どうにかならないかあれは。戦い辛い。
外見で鈍る様では修行が足りないという事と反省する。


放課後、道場の様子を伺っていたら天井から落ちた。
3名に見られる。

不覚。


明日より更なる精進を心に決めて筆を置く。